●NEWボディの現状確認と方針の決定

 オリジナルキーがメーターの奥から出てきました。ジムニー 55年。経年劣化と山の減っていないキーが、ワイルドなタッチと相まって濃厚な雰囲気を醸しています。
 ここで基本的な保有箇所と作業の方向性を確認してゆきます。
 

 
 先ずは作業性を向上させるべく、単管で組んだ手術台に載せます。これはハイロンサム氏考案の、高さ調節自在、運搬時は解体してコロになるという優れものです。

 
 塗膜はオレンジのハケ塗り層の上にブラックが吹かれています。スクレイパーでカリカリと削ると、下地処理を行われていない艶やかな純正イエローが顔を出しました。つまり、この上から塗膜を重ねても無駄なばかりでなく癌にもなりうるということです。方向性としては、なるべく純正イエローが残るようにオレンジとブラックを除去します。経験上、素人が安易に層剥離を行うのは危険と判断しました。しかしながらスクレイパーで全てをこそぎ落とすのは大変な作業になりそうですね。まずはボディ裏面から片付けることにしましょう。

 
 その裏面ですが、助手席側は水抜き穴を中心に腐食穴。上からアルミ板がタッピングスクリューで留められており、運転席側は軽症にもかかわらず、同様の処理が施されています。ボディマウント付近に開いた穴が気になりますが、腐食箇所を切除して開放型にすることで今後の腐食を抑えるつもりです。フロアは元の白ボディがら切り出したパネルで一部張替えます。

 
 床以外はパーフェクト・コンディション。リアの凹み、荷台裏のソコソコ猛烈なサビ。気になりません。この際ですから、ボディ裏面は完全に防錆します。

 
 お決まりのバッテリー液ブチマケ=フェンダーステー消失。パネル合わせ目から噴出するサビ。気になりませんとも!

 
 なにしろこの部分がストレートです。アンテナ台を据えていた妙な穴がありますが、ストレートです。

 
 そしてこの部分も・・・・。純正パネルのスポット痕さえ愛おしい。これぞストレート・ボディ。


 と、一通り萌えたところで、適度にスムースでストレートな仕上がりを目標に実作業に移ります。現実はサビと凶悪な塗膜との闘いですが、ストレート・ボディを撫でまわせるとなればそれもまた悦楽・・・・・だと思いたい。